一つ前の記事で、無理に他の犬と仲良くさせようとしなくていいんですよ~というお話を書きました。

パピークラスやパピーパーティーで犬同士を遊ばせるのは、みんながまだ乳歯の子犬だからです。
警戒心が薄く、ものごとを受け入れやすい社会化期だからです。
それでもすべて子犬任せで放置せず、運営者(インストラクターやトレーナー)は細心の目配りをしているはずです。

そして子犬はいつまでも子犬のままではありません。
成長に伴って他者(他犬)への認識や関わり方が変わってくるのは人間と同じです。
それがわからないと、既に大人の歯になったわんちゃんに、いつまでも子犬のように遊びの輪に入って無邪気に遊ぶことを期待してしまうのです。

もしもあなたのわんちゃんが、犬が好き!な子なら
次は他犬に会った時に家庭犬として好ましい行動が取れるようなトレーニングに進みましょう。

もしもあなたのわんちゃんが、犬が苦手!な子なら
それでも大丈夫!
同じく、他犬に会った時に家庭犬として好ましい行動が取れるようなトレーニングに進みましょう。
そう、ここでまた同じスタートラインに立てるのです。
無理に他犬フレンドリーな子にしようとせず、先に進んで良い…むしろさっさと進んだ方が良いのです。

お散歩で、前方から他の犬が来る場面を想像してください。
あなたのわんちゃんはどんな行動をとりますか?
スマートにすれ違うことができそうですか?

もともと他犬にあまり関心を示さないなどでサラッとすれ違いができるなら…おめでとうございます!
わんちゃんが自力でクリアしてくれるなんて、こんなにラッキーなことはありません。
「おりこうさんね」とニッコリしてあげると良いでしょう。

近寄ろうと興奮する、もしくは、追い払おうとガウガウ吠える、などの場合はトレーニングを始めるといいですね。
飼い主さんもサポートの方法を学ぶ必要があります。
ただし、リードを引いてショックを与えるというような体罰的な方法はお勧めしません。
犬と会うたびに痛みと衝撃に襲われたら、犬自体に強い恐怖を感じるようになってしまいかねません。
不安を感じやすい子には絶対にNGです。

良くお見かけするのが「ポチだめよ、吠えたらだめよ、NO!NO!、ポチ~っ!!(ガウガウ)ダメ~!!!」というパターン。
これでは何も変わりません。

まずは他の犬が近くにきたときに、飼い主さんに集中できることがポイントです。
落ち着いてご褒美を食べられるようなら、次のステップに進めます。
「なんだをエサを食べるのか」なんてバカにしてはいけません。
気になる刺激の中で飼い主さんの方を向いて食べる…これもまたトレーニングが必要な子には大変なことなのです。
ここまでくるのにいくつものステップが必要な子もいます。

 

<トレーニング過程の一例>
マイは絶叫しながら他犬に飛びかかっていってしまう子でしたが、
今は相手に吠えられても普通に歩き続けすれ違うことができます。
犬が来るとニコニコと私を見上げてくれるようにもなりました。

 

その子にとって無理のないステップを踏み、コツコツと練習を続ければ必ず実を結びます。
他犬が来たらママとの間に嬉しいことがあった、という経験を増やしてあげられるといいですね。
わんちゃんの行動を制御することより、気持ちを整えてあげることの方がずっと大切です。

~犬好きなわんちゃんの飼い主さんへ~
世の中にはいろいろな個性を持った犬がいます。
ご自分のわんちゃんが他犬フレンドリーだとしても、他犬に会ったときにリードをスルスル伸ばすのはやめましょう。
近寄りたかったら「ご挨拶させてもいいですか?」と聞いてからにすることをお勧めします。